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2026年10月に発表されたAIモデルまとめ 首位交代と値下げ

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「10月に出たAIモデル」と書いた表紙。言語、国産、画像、動画、音声、判断の6つの種類と、それぞれの発表の数が並んでいる

10月のAIモデルでいちばん大きな動きは、総合力の首位が月末に入れ替わったことです。Artificial Analysisが10月27日に作り直した総合指標v5で、首位はClaude Opus 5.5の58でした。翌28日にGoogleが発表したGemini 4 Carbonが59で、1点上回りました。1ただ、いまCarbonを使えるのは一部の組織だけです。

各社が公式に発表したモデルは、主なものだけで40を超えました。下の表は、10月1日から30日までの発表を種類ごとに分けたものです。日付は各社が発表した現地の日付で、モデルの名前から発表を詳しく書いた記事を開けます。Claude Opus 5.5やGPT-6.1 Solのように、9月に発表されて10月に使える場所が広がったモデルは入れていません。週ごとの性能の順位はAIモデルの性能比較 週次レポートに、仕事に合うモデルの選び方はAIモデルの選び方を診断にまとめています。

10月の3つの流れ

1つめは、首位のモデルと、いま使えるモデルのずれです。Carbonはまずサイバー攻撃を防ぐ仕事をする組織に提供され、一般向けの時期は決まっていません。同じGemini 4でも、10月13日に出たGemini 4 ArgonならAPIとGeminiアプリで使えます。

2つめは、料金を下げた版です。OpenAIのGPT-6.1 Terraの料金はGPT-6 Astraの10分の1で、Mistral Large 4もプレビューのほぼ半分の料金で正式に出ました。動画でも、PikaのH3 Flexが1秒1セントからの料金を打ち出しました。

3つめは、文章を書かずに答えを選ぶ「判断モデル」です。決まった選択肢から答えを選び、選択肢ごとの確率を返すので、文章を書かせるより速く、安く済みます。Cloudflare、OpenAI、Liquid AI、Basetenの4社が、ひと月のうちに相次いで出しました。

言語モデル

文章やコードを扱うモデルです。重みも配るMistral Large 4やKimi K3.1 Proのように、各社の看板にあたるモデルもこの表に入れました。

日付 モデルと中身
10月7日 MAI-Code-1.1-Flash(Microsoft)コード向けの軽い版。料金は前の版の4分の1
10月12日 Muse Wonder(Meta)エージェント向け。上位版のFullも
10月13日 Gemini 4 Argon(Google)手順の多い仕事向け。APIとアプリで公開
10月17日 DeepSeek-V4.1-Flash-1017(DeepSeek)V4.1 Flashの小さな更新版。重みも公開
10月19日 MiniMax M3.1 Flash(MiniMax)エージェント向け。作業の費用は前のモデルより70%少ない
10月19日 Mercury 3(Inception)画像生成と同じ拡散の方式で文章を作る
10月24日 Kimi K3.1 Pro(Moonshot AI)100万トークンを扱う。重みは11月4日までに公開予定
10月26日 GPT-6.1 Terra(OpenAI)画像の読み取りや文章の仕事向け。料金はAstraの10分の1
10月28日 Gemini 4 Carbon(Google)総合指標で首位。まず一部の組織に提供
10月29日 Mistral Large 4(Mistral AI)6日のプレビューから、重みつきで正式に公開。料金はプレビューの約半分

重みを配る言語モデル

自社のサーバーや手元のPCで動かせるように、重みを公開したモデルです。小さいものは、スマホのアプリに入る大きさです。

日付 モデルと中身
10月13日 LFM2.5-24B-A2B(Liquid AI)端末の上で動くエージェント向け
10月15日 Nemotron 3.5 Super VL・Bolt(NVIDIA)企業のサーバー向けと、PC向けの2つ
10月16日 Beam(Reflection)同社の最初のモデル。Apache 2.0で公開
10月27日 LFM3(Liquid AI)約2Bの6つのモデル。日本語にも対応

国産・日本語のモデル

国内の会社と研究機関も、7つのモデルを出しました。答える前に考える思考型と、データを社外に出さずに社内のサーバーで動かせる形が目立ちます。

日付 モデルと中身
10月2日 ELYZA-Thinking-1.0(ELYZA)LLM-jp-4をもとにした思考型。商用で使える形で公開
10月7日 PLaMo翻訳(PFN)翻訳専用のモデルを新しくし、53言語に
10月15日 リコーLMM_35B-A3B(リコー)図表を含む日本語の文書を読む
10月15日 NABLA-FC(NABLAS)日本語のファクトチェック向け。Webを調べて真偽を判定
10月26日 SIP-jmed-llm-4(国立情報学研究所など)医療向け。医師国家試験の問題で正答率90%超
10月27日 PLaMo 3.1 Prime(PFN)Deep Researchを載せ、社内のサーバーでも動く
10月29日 Sarashina3.2 mini thinking(SB Intuitions)思考型になり、ツールを使う評価などで首位

画像

画像では、一から作る力より、作った画像を直す力を伸ばしたモデルが目立ちました。

日付 モデルと中身
10月6日 Nano Banana 2.1(Google)会話しながら作って直す。4Kまで
10月8日 Midjourneyの考えるモード(Midjourney)作った画像を見直して作り直す。アルファ版で試験
10月9日 Qwen-Image-2.1のAPI(Alibaba)商用で使えるProとTurbo
10月15日 FLUX 3 Image Klein(Black Forest Labs)重みを公開。4Kをそのまま作る
10月15日 Krea 3(Krea)画像の編集向け。2Kでもほとんどが8秒以内
10月27日 MAI Image 2.7(Microsoft)編集から先にプレビューで公開。画像編集の評価で2位

動画と世界モデル

10月に出た動画のモデルは少なめでしたが、向かう先ははっきり2つに分かれます。下書きを安く何本も作るモデルと、文章で頼んだ世界の中を自分で動き回れる「世界モデル」です。

日付 モデルと中身
10月27日 Genie 4(Google)歩き回れる世界を音つきで作る。研究段階で、試せるのは招かれた人だけ
10月29日 Pika H3 Flex(Pika)料金は1秒1セントから。差分の重みも公開

音声

数がいちばん多かったのは音声です。聞き取りから読み上げまでを1つのモデルにまとめた会話向けと、手元のPCで動く小さな読み上げが並びました。でも、対応する言語はモデルごとに違います。日本語で使うなら、発表の記事で対応する言語を確かめてください。

日付 モデルと中身
10月1日 MAI-Transcribe-2-Streaming・MAI-Voice-2.1(Microsoft)その場の文字起こしと読み上げ
10月1日 Speech(Suno)話し声と音楽を1本の音声で作る。ベータ版
10月14日 Grok Voice 3.0(xAI)音声で聞いて音声で答える。1分0.08ドル
10月20日 Eleven Realtime(ElevenLabs)音声の受け答えを1つのモデルでこなす
10月20日 Voxtral 3(Mistral AI)文字起こし3つと読み上げ1つ
10月20日 Pocket TTSの小型版(Kyutai)いちばん小さい版は190万パラメーター
10月21日 Phonon(Gradium)手元で動く読み上げ。24日からOllamaでも
10月21日 Eleven Realtime Translation(ElevenLabs)同時通訳。企業向けに試験公開
10月26日 LLM Speech 09-2026(Microsoft)Azureの文字起こし。社名や数字の誤りを最大37%減らす
10月28日 Cue(ElevenLabs)文字と音声の時刻を合わせる
10月28日 Nemotron 3.5 Transcribe(NVIDIA)話し手の区別もこなす。重みを公開
10月28日 Realtime TTS-2の更新(Inworld AI)読む前に言い方を考える機能
10月29日 SFX v3(ElevenLabs)効果音。1つの指示に並べた音を多く鳴らせる

判断モデル

問い合わせの振り分けや、内容の分類に使うモデルです。ふつうの言語モデルと違うのは、費用の桁です。Basetenのjoey-1なら、100万トークンあたり0.01ドルで使えます。2

日付 モデルと中身
10月1日 Clef(Cloudflare)画像も読める。重みを公開
10月15日 d1-ultra(Liquid AI)込み入った実務の判断向け
10月22日 Decisions API(OpenAI)6日のベータから正式に公開。GPT-6 Lunaで動く
10月22日 mammoth-1・elephant-1(Baseten)270億と90億パラメーター。重みを公開
10月29日 joey-1(Baseten)20億パラメーターで、いちばん速い版

11月に決まっていること

日付 できごと
11月2日 PikaのアプリでH3 Flexを使えるようになる
11月4日まで Kimi K3.1 Proの重みを公開する予定
11月から リコーLMM_35B-A3Bを、社内で使うためのキットに載せて順に提供
11月30日 Gemini 4 Argonの導入価格が終わる。Claude Sonnet 4.5のAPIでの提供も終わる予定

速さと安さの月(編集部の見方)

10月の発表を並べてみると、目立ったのは首位争いよりも、同じ仕事を安く、速くこなすモデルでした。GPT-6.1 Terra、Mistral Large 4、MiniMax M3.1 Flash、Pika H3 Flex、判断モデルは、どれも料金か速さを前に出しました。そのかわり、首位に立ったGemini 4 Carbonはすぐには使えません。

だから、仕事で使うモデルを見直すなら、まず料金の安いモデルで手元の作業を試し、足りないところだけ上位のモデルに回す形が、わりと無理がありません。日本語の文書が中心なら、国産のモデルが7つ増えたことも見ておきたい点です。11月は、Carbonがいつ一般に開かれるかと、Argonの導入価格が終わったあとの料金が、モデル選びの分かれ目になるかもしれません。3

YOBITSUGI AIでは、10月に発表されたモデルのうち、GoogleのGemini 4 ArgonとNano Banana 2.1、Mistral AIのMistral Large 4を使えます。9月に出たClaude Opus 5.5とClaude Sonnet 5.5、OpenAIのGPT-6.1 Solも選べます。

出典

注

  1. Gemini 4 Carbonはhighの設定、Claude Opus 5.5はmaxの設定で測った値です。Carbonの値は、Artificial Analysisが10月28日に公開しました。 ↩

  2. Liquid AIのd1-ultraは、入力にだけ料金がかかり、100万トークンあたり0.042ドルです。 ↩

  3. Gemini 4 Argonの導入価格は100万トークンあたり入力2ドル、出力10ドルで、11月30日を過ぎると入力4ドル、出力20ドルになります。 ↩

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