Pika、動画モデルH3 Flexを公開 料金は1秒1セントから
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動画のAIで下書きを何本も作ると、1本ごとの費用と待ち時間がすぐにかさみます。
動画の生成AIを手がける米国のPikaは10月29日(米国時間)、新しいモデル「Pika H3 Flex」を公開しました。MiniMaxが重みを公開する動画モデル「MiniMax H3」に、Pikaが追加で学習を重ねたモデルです。せりふや効果音を含むステレオの音を、映像と一緒に作ります。長さは最長15秒。768pまでで作った映像を、Pikaのサーバーで4Kまで引き伸ばせます。1
入力には文章のほか、絵コンテ、キャラクターの設定画、商品の写真、動きの見本の動画、声の見本を使えます。1回に12点まで組み合わせられます。演技や間を保ったまま衣装や持ち物、場所を差し替える。見本の動画から動きを写す。カットを割った複数のショットを作る。こうした使い方を挙げました。
速く、安く
違うのは、作る手順の回数です。もとのモデルは50回かけて少しずつ絵を整えますが、Flexは6回で済むように学習させました。8枚のGPUで5秒の動画を作る時間は、3.409秒から2.129秒に縮みました。fal.aiで動くH3 Maxと比べても、平均で約1.8倍速いといいます。2
| モデル | 1秒あたりの料金 |
|---|---|
| Pika H3 Flex | 0.01ドル〜 |
| fal.aiのH3 Max | 0.0325ドル〜 |
| MiniMax H3 | 0.08ドル〜 |
| Seedance 2.5 | 0.103ドル〜 |
質も落としていません。人が動画を見比べるDesignArenaの順位では、重みを公開したモデルで1位、全体で7位でした。人の体の描き方、込み入った構図、音と映像の合い方では、ほかのモデルより好まれました。そのかわり、物の動きの自然さ、場面をまたぐ話のつながり、光や質感、激しい動きでは、ほかのモデルが選ばれています。Pika自身も、物理や場面のつながり、細かい見本の指定を、これからの課題に挙げました。3
手元で動かすなら(編集部の見方)
いま使えるのは開発者向けのAPIで、11月2日からはPikaの制作画面にも入ります。Hugging Faceには、もとのモデルに重ねる差分の重み(LoRA)と、動かすためのコードを置きました。もとのMiniMax H3の部品だけで約210GBになります。それでも480pと768pなら、80GBのメモリーを積んだNVIDIAのH100の1枚で動いたそうです。ただ、4Kまでの引き伸ばしや、音をせりふと音楽、効果音などに分ける機能は、PikaのAPIでしか使えません。
使う条件も、わりと大事な点です。差分の重みはMiniMax H3のコミュニティーライセンスで配っているので、商用の条件はその本文で確かめる必要があります。日本語のプロンプトの扱いと、制作画面での料金は、まだ書かれていません。だから、仕事で使う前に、条件と日本語での出来を小さく試しておきたいところです。安い下書きを数多く作ってから選ぶ使い方なら、1秒1セントという値段が効いてくるかもしれません。
YOBITSUGI AIでは、動画にGoogleのGemini Omni FlashやRunway、Kling、Luma AIのモデルを使えます。Pika H3 Flexは、現時点の対応モデルには含まれていません。
出典
- Introducing Pika H3 Flex(Pika Blog・2026年10月29日)
- Pika H3 Flex Technical Deep Dive(Pika Blog・2026年10月29日)
- Pika-Labs/Pika-H3-Flex(Hugging Face・2026年10月30日に確認)
注
もとの映像は480pか768pで、横長の21:9から縦長の9:21まで11の比率を選べます。手元で動かすときの長さは5〜15秒、1秒24コマで、音は32kHzのステレオです。1080p、2K、4Kは、10億パラメーターの引き伸ばし用のモデルで作ります。Hugging Faceの表示では、モデルの大きさは330億パラメーターです。 ↩
3.409秒と2.129秒は、NVIDIAのB300を8枚使い、音つきで768p、5秒の動画を作ったときの値です。15秒で768pの動画なら、計算の中心の部分は最短7秒で終わるとしていますが、APIに頼んでから返るまでの時間ではありません。fal.aiのH3 Maxとの差は5秒の動画で約1.5倍、10秒と15秒で約2倍です。 ↩
料金はPikaの技術解説にある、1秒あたりの最低額です。見本の画像や動画を使う作り方では、Pika H3 Flexは1秒0.03ドルです。DesignArenaの順位は公開した時点の値です。同じプロンプトで測った7つの指標では、映像と音の質の5つで首位でした。 ↩
