ELYZA、日本語の思考型モデル ELYZA-Thinking-1.0 を公開
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ELYZA は 10 月 2 日、国立情報学研究所 大規模言語モデル研究開発センター(LLMC)の国産オープンモデル「llm-jp-4」を元に追加学習した思考型(答える前に推論する)の言語モデル「ELYZA-Thinking-1.0」を、商用利用できる形で Hugging Face に公開しました。あわせて、日本語のカスタマーセンターの問い合わせ対応を題材に AI のエージェントを評価するベンチマーク「ELYZA Agent Tasks: Customer Service」も公開しています。どちらも、同日に設立を発表した研究組織「ELYZA RSI Research」(AI による AI の開発を研究する組織)の成果として出したものです。
要点
- 通常の構成(dense)の 33B と、MoE 構成の 32B-A3B の 2 つのモデルを公開しました。
- ライセンスは Apache License 2.0 で、日本語と英語に対応しています。
- 数学・コード・理系の推論のデータを日本語にして学習し、日本語の推論と指示への追従を高めました。
- 日本語の Wikipedia と Wikidata から作った知識のデータで、日本の知識を答える力を強めました。
- 社内の学習の基盤を使い、人の作業を 1〜2 人日程度に抑えて追加学習から評価まで進めました。
- 33B の 7 分野の平均は 61.69 で、元の llm-jp-4-33b-thinking の 51.50 を上回りました。
モデルの説明のページによると、学習は、知識や推論の土台を広げる追加の学習(Mid-training)、思考の過程つきの数百万件のデータによる教師あり学習、プログラムで正誤を確かめられる問題での強化学習の 3 段階です。ベンチマークの平均では、33B は LLM-jp-4.1 の 33B(60.64)も上回った一方、同じ表の Gemma 4 31B(70.54)や Qwen3.5-27B(68.18)には届いていません。日本語の質問応答の JEMHopQA と、日本語の指示追従の JFBench では、比べたモデルの中で最も高い値でした。32B-A3B の平均は 58.46 で、元のモデル(46.38)を上回っています。
ELYZA Agent Tasks: Customer Service は、通信、EC・フリマ、ホテル、宅配の 4 分野の 96 の場面で、AI のエージェントが手順書を調べ、業務のツールを使い、応対の記録を残せるかを、テキストと音声の両方で評価します。ELYZA が 10 月 2 日時点のモデルを評価した結果では、「タスク遂行」の最高は gemini-3.6-flash の 0.781 でした。ライセンスは Apache License 2.0 で、GitHub で公開しています。
日本の利用者にとって
日本で一から事前学習された llm-jp-4 を土台に、その後の学習をすべて ELYZA が行ったモデルです。ふりがなや漢数字のような日本語特有の条件を含む指示のデータでも学習したとしています。モデルは手元の環境に取り込んで使うもので、ELYZA は vLLM と Transformers での動かし方を案内しています。
YOBITSUGI AI で使えるか
ELYZA-Thinking-1.0 は、現時点では YOBITSUGI AI からは使えません。
出典
- ELYZA、「AIによるAI開発」の研究を推進する「ELYZA RSI Research」を設立。基盤モデル・評価・自律改善に関する研究成果を公開(ELYZA news・2026年10月2日)
- elyza/ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-33b(Hugging Face・ELYZA のモデルの説明)
- elyza/ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b(Hugging Face・ELYZA のモデルの説明)
- ELYZA Agent Tasks: Customer Service(GitHub・ELYZA)
