Microsoft、Azureの音声認識を更新 固有名詞などの誤り最大37%減
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会議や商談の録音を文字にすると、あとで直す手間がいちばんかかるのは、社名や金額のような語ではないでしょうか。
Microsoftは10月26日、Azure AI Speechの音声認識モデルを「LLM Speech 09-2026」に更新しました。前の版2607と比べて、語の誤りの割合を示すToken Error Rateは最大25%、社名や数字のような語の誤りを示すEntity Error Rateは最大37%改善したとしています。利用者の側で切り替える作業は要りません。サービスの側で自動的に入れ替わります。
改善の幅が大きかったのは、決算の説明のような金融の場面に出てくる語だそうです。測ったのは社内の評価と、GigaSpeechやVoxPopuliのような公開の評価でした。
25言語が増え、速さは最大2倍
対応は合わせて50言語、60以上のロケールになりました。新しく加わった25言語のうち、発表が名前を挙げたのは、アッサム語やベンガル語などインドの11言語と、カタルーニャ語、マレー語、ウェールズ語です。
処理の速さは、前の版の最大2倍。とくに5〜10秒の短い音声を、同時にたくさん送る使い方で速くなったとしています。無音や空の音声から、ありもしない文字を書き出すハルシネーションも減らしたそうです。
1つの録音に複数の言語が混ざっていても、言語を指定せずにそのまま文字にできます。発表が挙げた例は、クウェートの診察の場面でした。医師はアラビア語、患者はヒンディー語で話し、メモは英語で残す。これを1回の呼び出しで文字にします。製品名や略語が多い音声には、最大2,000語の語句リストを渡せます。1
日本語は対象、日本のリージョンは対象外
Azureの対応言語の一覧を見ると、LLM Speechの文字起こしには日本語(ja-JP)が入っています。音声を別の言語に訳す機能でも、訳す先に日本語を選べます。
ところが、LLM Speechを使えるリージョンは、Central India、East US、North Europe、Southeast Asia、West US、West US 2の6つだけです。Japan EastとJapan Westは入っていません。Azureの説明では、Azure Speechは音声のデータを、リソースを作ったリージョンで保存し、処理します。同じ6つのリージョンでは、MAI-Transcribeでの文字起こしも選べます。
Foundryのプレイグラウンドでも試せます。言語ごとの改善の数値と料金は、発表に書かれていません。
ここからは編集部の見方です。日本語の会議の文字起こしで効いてくるのは、固有名詞の改善のほうでしょう。正直なところ、全体の誤り率が少し下がるより、社名や金額が正しく出るほうが、あとの手直しはずっと楽です。
すでにLLM Speechを使っているなら、何もしなくても新しい版に変わります。いつもの録音で、社名や数字の出方が変わったかを一度見ておくと安心です。一方で、音声を国内で処理したい会社には、日本のリージョンがまだ無いことが、使うかどうかの分かれ目になるかもしれません。
LLM Speechは、現時点ではYOBITSUGI AIからは使えません。
出典
- Announcing Azure AI Speech LLM 09-2026: Broader locale support(Microsoft Foundry Blog・2026年10月26日)
- Use Azure LLM Speech(Microsoft Learn・2026年10月27日に確認)
- Language support(Microsoft Learn・LLM Speechの対応言語・2026年10月27日に確認)
- Supported regions for Azure Speech(Microsoft Learn・LLM speechの欄・2026年10月27日に確認)
注
呼び出し先はFast Transcription APIの
transcriptions:transcribeで、api-versionは2025-10-15です。リクエストのenhancedModeを有効にして使います。語句リストはphraseListで渡します。 ↩