Decart、Lucy 2.6を公開 ライブ映像の服や商品を配信中に変更
執筆・監修: 佐々木 航公開 更新 3 分で読めます
1秒0.02ドルで、配信中の映像の服や商品をその場で差し替えられます。リアルタイムの動画AIを手がけるDecartは11月5日、ライブ映像を編集するモデルLucy 2.6を公開しました。録画を後から直すのではなく、流れている映像に文章や見本の画像で指示を出すモデルです。解像度は720pで、料金は前の版のLucy 2.5と変わりません。
見本の画像に近づいた
今回の改善の中心は、指示や見本にどれだけ忠実かです。Decartが挙げる違いは次のとおりです。
- 人物の入れ替えは細部がはっきりし、口の動きや自然さも良くなりました。写実的な人物にも、アニメ調の人物にも使えます。
- 複雑な服や変わった形の服でも、配信のあいだ形と細部が崩れにくくなりました。
- 足す物や置き換える物は、大きさと位置が人物や場面に合いやすくなりました。
- 背景の差し替えと人物の入れ替えのように、複数の編集を1つの指示にまとめられます。ただ、1回に渡せる見本の画像は1枚です。
Decartは2.5と2.6を並べた映像を見せていますが、改善の幅を示す数値は出していません。
料金は秒単位で、1時間なら72ドル
リアルタイムの料金は、生成している時間に応じてかかります。定額の契約や最低利用額はありません。
| 使い方 | 1秒 | 1時間 |
|---|---|---|
| リアルタイム標準 | 0.02ドル | 72ドル |
| リアルタイム高速モード | 0.04ドル | 144ドル |
1時間の額は、1秒の料金から計算しました。高速モードは遅れが減り、処理量も増えますが、画質は標準と同じです。録画した動画を編集する場合は、作った1秒あたり0.04ドルです。試着に特化したLucy VTON 3.6のリアルタイムの料金も同じで、新しいアカウントには試用のクレジットが付きます。
配信者向けの使いどころ
Decartが想定するのは、ライブコマースと視聴者参加の配信です。配信を止めずにカタログの商品を次々と試着する、手元に無い商品を持っているように見せる、ブランドの衣装や背景で出演する、視聴者の頼んだ効果をその場で出す、といった使い方を挙げています。
開発者は、JavaScript、Python、AndroidのSDKで組み込めます。指示は接続と同時に渡すのが要点です。後から渡すと、視聴者に元のカメラの映像が一瞬見えてしまうと資料は注意しています。
日本で使う前に確かめたいこと
日本語の指示がどこまで正しく動くかは、資料に説明がありません。指示の長さには上限があり、英語で約750文字が目安で、ほかの言語ではさらに短くなる場合があります。
利用規約にも注意が要ります。実在の人物に似せる映像には、はっきりした表示と本人の確認できる同意が必要です。AIで作った映像であることの表示も、法律で求められる場合は欠かせません。
ここからは編集部の見方です。1時間72ドルは、長時間の配信を毎日続けると無視できない額ですが、撮影の準備や在庫を減らせるなら検討の余地があります。一方、販売の場で商品を実物より良く見せると、広告の表示の問題になるおそれがあります。試着や手元に無い商品の演出を使うなら、合成であることを伝える方法と実物との差を、配信の前に決めておくのが安全でしょう。
会話する人物を生成する使い方なら、Runway Charactersが比べる相手になります。
Lucy 2.6は、現時点ではYOBITSUGI AIからは使えません。
出典
- Lucy 2.6: Ready for Live Commerce and Engagement(Decart・2026年11月5日)
- Lucy 2.6 Realtime(Decart・2026年11月6日確認)
- Pricing(Decart・2026年11月6日確認)
- Prompting Guide(Decart・2026年11月6日確認)
- Acceptable Use Policy(Decart・2026年11月6日確認)
