Hugging Face、文字起こしと判断のモデルをMacで手軽に
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問い合わせの電話を文字にして、担当の部署に振り分ける。この2つの作業を、毎回大きな言語モデルに任せる必要はあるのでしょうか。
Hugging Faceは10月29日、Swiftのパッケージ「AnySpeechRecognizer」と「AnyDecisionModel」を公開しました。Appleの端末向けのアプリで、文字起こしと「判断」のモデルを手元で動かすための部品です。それぞれの作業のために作られたモデルのほうが、正確で速く、安く済むという考えです。どちらもHugging Face Hubから公開のモデルを取ってきて、端末の上で動かします。1
AnySpeechRecognizerは、AppleがmacOS 26とiOS 26で用意した文字起こしの仕組みと同じ書き方のまま、中で動くモデルを替えられます。選べるのは、NVIDIAのParakeetと、AlibabaのQwen3-ASRです。このために、各モデルをAppleの端末で動くCore MLの形に変えて、Hubに置きました。日本語を扱えるのはQwen3-ASRで、0.6Bと1.7Bの2つの大きさがあります。Parakeetは欧州の25言語と英語向けで、日本語には対応しません。話し手を最大4人まで分けるNVIDIAのSortformerも加え、Appleの仕組みにない「誰が話したか」も分かるようにしています。2
AnyDecisionModelは、「急ぎか」「どの部署か」「どれくらい怒っているか」のような問いに、文章を作らずに答えます。選択肢ごとの確率を返すので、どれくらい確かな答えかも分かります。Macの上では、小さな言語モデルのQwen3 4Bのほか、CloudflareのClef-Flashも動かせます。Clef-Flashは、判断のための出力の部分を学習させたモデルです(Cloudflareの判断モデルClef、Ollamaでも利用可能に)。
日本語の文字起こしは試してから(編集部の見方)
正直なところ、目を引くのは、録音や問い合わせの文を外のサービスに出さずに、Macの中だけで処理できる点です。ただ、日本語で使えるQwen3-ASRは、Parakeetよりかなり遅く、数GBのメモリが要ります。40秒までの区切りごとに結果を1つ返す形で、話しながら文字にする使い方には向きません。示された精度は英語の朗読で測ったもので、人が話し重なる会議の録音では、どのモデルも単語の誤りが23%を超えました。iPhoneではまだ試していないとしています。日本語の会議の録音で使うなら、手元の音声で一度測ってから組み込むのがよいかもしれません。
YOBITSUGI AIでは、文字起こしにElevenLabsのScribe v2や、OpenAIの文字起こしのモデルを使えます。今回のParakeet、Qwen3-ASR、Clef-Flashは、現時点の対応モデルには含まれていません。
出典
- Introducing AnySpeechRecognizer and AnyDecisionModel: Open Models for Speech and Decisions on Apple Platforms(Hugging Face Blog・2026年10月29日)
注
どちらもSwift 6.2以降と、macOS 26かiOS 26以降が必要です。ParakeetとSortformer、MLXで動かす場合は、Appleのチップを積んだ端末に限られます。AnyDecisionModelは、手元で動かす方法のほか、TypeSafeのJevやOllamaの判断モデルを呼び出すこともできます。判断モデルの動きは判断モデルの公開が相次ぐ、OpenAIやMicrosoftもにまとめています。 ↩
ライセンスは、Parakeet TDT 0.6B v3がCC BY 4.0、Qwen3-ASRがApache 2.0、Sortformer v2.1などはNVIDIA Open Model Licenseです。取ってくる大きさは、Parakeetが1つ約600MB、Qwen3-ASRが0.9〜2.4GB、Sortformerが約250MBです。M4 MaxのMac Studioで測ると、Parakeetは1時間の音声を、ファイルからなら20〜40秒で文字にしました。英語の朗読のLibriSpeechでの単語の誤りは、Parakeet v3が1.55%、Appleの仕組みが2.12%です。 ↩
