Claude API、会話の続きを新しい発言だけで送れる機能
執筆・監修: 佐々木 航公開 更新 3 分で読めます
AIと長くやり取りするアプリやエージェントは、1回ごとに、それまでの会話をすべて送り直しています。会話が伸びるほど、送る量も、最初の文字が返るまでの時間も増えていきます。
Anthropicは11月2日(米国時間)、Claude APIのMessages APIに「message threads」をベータで加えました。最初の1回に、会話の全体とシステムの指示、ツールの定義を送ると、APIが会話をサーバーに預かります。2回目からは、新しい発言と前の応答のIDだけを送れば、APIが会話を組み立て直してからモデルに渡します。
送り直しがなくなると、APIが会話を受け取って確かめ、トークンに分ける手間も新しい部分だけで済みます。そのため、最初の文字が返るまでの時間が短く、会話が伸びても安定するとしています。効き目が大きい場面は、ツールを何度も呼ぶエージェントの長い繰り返しです。どれだけ速くなるかの数字は示されていません。料金とレート制限は変わらず、プロンプトのキャッシュも、これまでどおり自分で指定します。1
預けた会話は、5分で切れる
会話を預かる時間は、長くありません。最後のリクエストから5分で使えなくなり、遅くとも1時間で消されます。それより前でも、続けられないときは誤りが返るので、会話の全体を送り直して新しく始めます。会話の正本は、自分のアプリの側に持ち続けるのが前提です。SDKの補助の機能を使えば、手元での会話の保持と送り直しを任せられます。
途中で変えられない設定もあります。システムの指示とツールは最初の1回だけ送り、モデルや思考の設定は毎回同じ値にそろえます。変えたいときは、新しく始め直します。2
企業で使うなら、データの扱いも見落とせません。預けた会話は暗号化してメモリーに置くだけで、ディスクには書かないとしていますが、データを残さない契約(ZDR)や、米国の医療情報の規制(HIPAA)の対象には入りません。Claude APIのほか、Claude Platform on AWS、Google Cloud(Anthropicが運営する形)、Microsoft Foundryから使えます。
問い合わせの窓口のように何十回もやり取りするチャットや、コードを書くエージェントでは、最初の文字が早く返るほど待たされる感じが減ります。データを残さない契約で使っている会社は対象外なので、まず契約の条件を確かめることになります。そのうえで、手元の長い会話を使い、今の作りと比べて速さを測ってみるのがよいかもしれません。
YOBITSUGI AIでは、Claude Opus 5.5やSonnet 5.5、Haiku 5.5を使えます。message threadsは、Claude APIで自分のアプリを作る開発者向けの機能です。
出典
- Claude Platform release notes(Anthropic・2026年11月2日)
- Message threads(Claude Platform Docs・2026年11月3日に確認)