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ドコモ、対話 AI の「EQ」を測る評価指針と設計図を公開

公開 3 分で読めます

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AI は利用者に寄り添うほど、利用者の要求に同調しやすくなります。NTT ドコモは 10 月 26 日、こうした課題に向けて、対話型 AI に「EQ(感情指数)」の要素を加えるための評価指針と共通設計図を公開しました。あわせて、4 つの要素技術を開発し、約 40 人で試した結果も示しています。指針と設計図は、開発者向けのホワイトペーパー「AI EQ+1 Framework Whitepaper v1.0」で読めます。

評価指針は 4 つの層

「AI EQ+1 Framework」は、AI が相手や場に配慮して「どう振る舞ったか」を評価する指針です。正解が 1 つに決まらない雑談や相談の場面でも、対話型 AI の応答を評価できるとしています。

層 見るもの
① 基本性能 応答速度など
② 安全性・誠実性 合格か不合格かで判定
③ 体験の質 相手への寄り添い、場への適応、キャラクターの一貫性
④ 利用による成果 愛着や継続利用

③の「キャラクターの一貫性」は、場面や機器が変わっても同じ相手であり続けるかを見るドコモ独自の軸です。会話を重ねて得た記憶が正確か、うまく生かせているかも評価します。

LLM を作り直さずに組み込む設計図

共通設計図の「EQ リファレンスアーキテクチャ」は、LLM の外側に 5 つの部品を置く構成です。中核の LLM を作り直さずに組み込めるとしています。

部品 役割
EQ 入力 利用者の状況を読み取る
EQ コントローラ 振る舞いを決める
EQ 出力 口調や声で表現する
EQ ガードレール 不適切な応答を防ぐ
EQ 自律改善 評価をもとに応答の質を上げ続ける

ドコモが開発した 4 つの要素技術は、この設計図の部品にあたります。

  • 開発者がふだんの言葉で書いた指示から、表情・声のトーン・話の内容で利用者の状態を判断するルールを、LLM が自動で作ります。
  • 利用者が話している間から応答の準備を進め、話し終えてから AI が話し始めるまでの沈黙をほとんどなくします。
  • 場面や利用者の状況に合わせて、同調してよい内容と避ける内容を判断し、寄り添いと安全性を両立させます。
  • 対話のログを使って、サービスごとに求められる配慮に合わせて応答を改善し続けます。

約 20 人ずつで試した結果

2026 年 8〜10 月に、2 つの実験で確かめました。比べたのは、EQ の要素を入れた対話型 AI(EQ あり)と、入れていないもの(EQ なし)です。

1 回だけ話した場合、EQ ありでは、AI の発話が短めなのに、参加者の発話量が 1 回あたり約 58 字から約 83 字へ約 1.4 倍に増えました。終わったあとの質問では、受け止め・また話したい・会話の自然さ・会話の楽しさの 4 つすべてで EQ ありを選んだ人が多く、受け止め(共感)では 14 人が EQ ありを選んでいます。

10 日間続けた場合は、1 日 5〜10 分の日記の形の対話で比べました。EQ ありでは「また話したい」「受け止めてもらえた」の評価が日を追って上がりました。EQ なしでは「また話したい」が下がり、10 日目には EQ ありが上回りました。

どちらも約 20 人の小さな実験で、詳しい設計と結果はホワイトペーパーの付録に載っています。

使いどころ(編集部の見方)

ここからは編集部の見方です。カスタマーサポートや相談の窓口のように、利用者の気持ちに合わせた受け答えが求められる音声 AI を作る開発者には、何を評価すればよいかの手がかりになりそうです。寄り添いすぎて要求に流されることへの対策を、安全性の層として分けて考えている点も参考になります。

ドコモは今後、カスタマーサポート・介護・教育・エンタメなどの分野で、自社のサービスへの組み込みや他社との共同開発を進めるとしています。今回は評価の指針と技術の発表で、YOBITSUGI AI で使えるものではありません。

出典

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