Cohere、DeepSeekやGemmaを専有環境で提供 暗号化の版も
執筆・監修: 佐々木 航公開 更新 3 分で読めます
他社の公開モデル8系統が、Cohereの専有の推論基盤で動くようになりました。Cohereは11月3日、Model Vaultの対象をDeepSeek、GLM、Gemma、GPT-OSSなどに広げたと発表しました。Model Vaultは、1社専用の環境でモデルを動かし、運用はCohereが受け持つサービスです。プロンプトと出力は、既定で保存しません。
狙う相手は、機密のデータを共有のAPIに送れない銀行や病院、官公庁などです。公開モデルを自社で動かす人手が足りない会社も含みます。
暗号化の版で動くのは、一部のモデルだけ
Model Vaultには2つの段階があります。通常の版は、専有の環境で、選んだ地域の中でプロンプトと出力を処理します。Model Vault Encryptedは、さらに処理中のデータも暗号化します。コンフィデンシャルコンピューティングを使い、Cohereにもクラウドの会社にも中身は見えないとしています。
| 系統開発元 | 通常 | 暗号化 |
|---|---|---|
| GemmaGoogle | ○ | ○ |
| GPT-OSSOpenAI | ○ | ○ |
| PhiMicrosoft | ○ | ○ |
| DeepSeekDeepSeek | ○ | — |
| GLMZ.ai | ○ | — |
| MiMoXiaomi | ○ | — |
| NemotronNVIDIA | ○ | — |
| Hy3Tencent | ○ | — |
| Embed、Rerank、Parse Transcribe、TranslateCohere | ○ | ○ |
| CommandCohere | ○ | — |
発表が版まで名前を挙げたのは、DeepSeek V4.1 Flash、GLM 5.3 Flash、MiMo V2.6 Pro、Gemma 4です。ただ、暗号化の版は大きなモデルにはまだ対応しておらず、今後広げる計画です。
使える地域に、日本は無い
通常の版は米国、EU、カナダで使えます。暗号化の版は今のところ米国だけで、EUとカナダはこれからです。今後の数か月で地域を増やす計画ですが、発表に日本の名前はありません。
料金はトークンではなく、GPUの種類と時間で決まります。オンデマンドの価格は、GPU 1基1時間あたりL4 24GBの3.00ドルから、GB200 192GBの12.50ドルまでです。暗号化の版で使えるGPUは、H100 80GBが9.00ドル、B200 192GBが12.00ドルです。2027年3月31日までのキャンペーン価格はこれより安く、H100 80GBが4.25ドル、B200 192GBが8.00ドルです。ただし、価格の表に載っていても、GPUを確保できるとは限りません。
ここからは編集部の見方です。GPUの時間で払うので、呼び出しが少ないと、トークン課金のAPIより割高になりそうです。一定の量を流し続ける業務で、自社でGPUを運用したくない会社に向いた選択肢でしょう。データを国内で処理する必要がある日本の会社には、今の地域では合いません。暗号化の版に入っていないモデルが多い点も、選ぶときの分かれ目になります。
Cohere Model Vaultは、現時点ではYOBITSUGI AIからは使えません。Cohereのモデルでは、Embed 5の記事も公開しています。
出典
- The world's leading open models, fully under your control(Cohere・2026年11月3日)
- Pricing(Cohere)
