SpiralAI、ゲーム向けに AI を束ねる SpiralLLM を提供開始
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AI のキャラクターを手がける東京の SpiralAI は 10 月 21 日、エンターテインメントに特化した「オーケストレーションモデル」の SpiralLLM の提供を始めました。1 つの大きなモデルではなく、会話・記憶・世界観の参照・物語の進行・矛盾の確認などを受け持つ専門の AI を束ねて、1 つの体験として動かす仕組みです。
SpiralAI はこれを、卓上のロールプレイングゲームの進行役になぞらえて「AI ゲームマスター」と呼んでいます。AI のキャラクターに自然な返事をさせるだけなら 1 つの言語モデルでもできますが、過去の出来事を覚え、原作の設定を壊さずに、ゲームとして物語を進めるには、どの処理をどの順で呼び、どこで確かめるかという全体の制御が要るという考え方です。
要点
- 1 つの入り口から呼ぶと、中の AI ゲームマスターが場面に合う AI を選び、結果をまとめます。
- 世界観を壊す入力やプロンプトインジェクションは、キャラクターに届く前に止めます。
- 長期の記憶は専任の AI が管理し、その発言に要る記憶だけをキャラクターに渡します。
- キャラクターへの指示は毎回作り直し、前のやり取りに引きずられた硬い答えを防ぐとしています。
- 戦いの成否やアイテムの入手は専任の AI が判定し、プレイヤーの言いなりにならないようにします。
- 答える前に、原作の設定・それまでの会話・ゲームの状態と矛盾がないかを確かめます。
記憶の扱いでは、会話が長くなるほど覚えておくことが増え、毎回すべてを渡すと答えの質が下がって費用も増え、要約して持ち回ると細かいことが抜け落ちるという問題があります。SpiralLLM は、記憶の全体を専任の AI に持たせ、必要な分だけを取り出すことで、数十回前のやり取りを踏まえた答えができるとしています。結果を見て別の AI を追加で呼んだり、処理を戻したりして、確かめと直しを重ねます。これらの機能は特許を申請中です。
この技術を使った最初の作品は、コーエーテクモゲームスの許諾を受けて 8 月 25 日に始めた AI のチャット形式の RPG『RyzaChat:AIライザと創るあなただけのひと夏の夢物語』です。日本語・英語など 6 つの言語に対応しています。声や絵は専門家の制作物を中心に使い、使った素材に応じてクリエイターや権利者に使用料を払う仕組みを入れているとしています。今後は恋愛・タレント・育成などの分野にも広げる予定です。
どの言語モデルを中で使っているか、料金や使い始め方は、発表に書かれていません。
日本の利用者にとって
国内の会社による、日本の作品の世界観を守ることを重んじた仕組みです。AI のキャラクターを作る開発者には、記憶を別の AI に任せる、指示を毎回組み立て直す、成否の判定を別の AI に任せるといった分け方が参考になります。
YOBITSUGI AI で使えるか
現時点では YOBITSUGI AI からは使えません。
出典
- SpiralAI、エンタメ特化のオーケストレーションモデル「SpiralLLM」を提供開始(SpiralAI・PR TIMES・2026年10月21日)